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現当主は、2003年にワイナリーを継いだジュゼッペ・ルッソ。際立った自然派として有名なフランク・コーネリッセンとは友人で、ワイン造りにおいても影響を受けているようです。
色調は薄めのサーモンピンク。グラスに注ぐとさらに色が薄く感じるので、飲む環境によっては白ワインと間違えるかもしれません。実際の味も比較的端的な傾向にあり、スッキリとした仕立ての心地良さが印象的です(白ワイン的なストレートさ)。ただ、温度が徐々に上がってくると、印象が少しずつ変化します。当初は感じられなかった複雑味が徐々に表に出始め、アフターには赤ワイン的なタンニンの渋みも感じられるようになります。ピュアでスッキリとした口当たりの裏側には、その端的な表情からは想像しがたい複雑さがコアにあり、掘り下げるほどにその対比が鮮明になります。アルコール感も控えめで(とはいえ実際には13.5%)、かなり飲みやすいスタイルなのも好印象です。
表面上のシンプルさに目を奪われると、その本質を見誤りそうな印象でもあるので注意が必要ですが、冷やして気軽に飲んでもそれなりに楽しめるので、もし3k円を切るぐらいのレンジで入手できれば、コストパフォーマンスの観点からも文句なくお薦めできそうです。
(2016/04)