- Very Good Quality -
ニュージーランド最南端のワイン産地「セントラル・オタゴ」を代表する生産者であり、かつ、ニュージーランドのトップ5に数えられる一流生産者でもあるのが「フェルトン・ロード」。
エルムズ・ヴィンヤードの北端にある、東向きの緩斜面が「ブロック2」。区画内の西側にピノ・ノワール、東側にリースリングが植樹され、中央付近やや西側寄りのエリアにシャルドネが植樹されています(シャルドネは92年に植樹)。
バノックバーンと比較すると、よりキレがあり、単一指向のピュアさが印象的です。レモン等の柑橘風味やシャープさを感じますが、色調はよりしっかりとしていて、体軀そのもののボリュームはしっかり感じられます。明確なポテンシャルを有しながらも、酸やミネラルをよりしっかり感じる、表層を磨き上げたような指向性だと言えそうです。アルコールも相対的にはやや強めに感じる傾向にありますが(表記自体は14%)、瑞々しくピュアなこともあり、飲みにくくなるような迫力感は特にありません。
基本的なスタイルはバノックバーンと同様ですが、単一区画らしい端的な表情が魅力のひとつで、インパクトは控えめなものの(やや地味)、時間とともにじわじわと本来のポテンシャルが伝わってくるので早計な判断は禁物かもしれません。現状では、抜栓日の印象でバノックバーンの明快さや素直な美味しさが非常に印象的ですが、翌日以降に持ち越した場合の質実さ、ミネラル由来の硬質感、将来的なポテンシャルなど、総合的な面では決して負けていないとも言えます(とは言え、若干その良さはわかりにくい傾向にあるかも…)。
(2016/04)