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1868年にドイツのラインガウ地方にあるキートリッヒ村に創立された生産者です。その後、1983年にシャトー・ラグランジュを買収したことで有名なサントリーが1988年に経営権を取得し、品質の向上に弛まぬ努力を重ねています。
カビネットなので相対的に下のクラスとなりますが、それでもしっかりとした綺麗な甘みが感じられ、ピーチ、パイン、ライチとしった豊かな果実味が心地よい表情を形作っています。また、相対的にかなり酸がしっかりしている傾向にあり、この酸の力によって甘みがダレることのなく明確な表情を打ち出してくれます(良いバランス感)。程よいミネラルを感じる硬質感や、全体を通じてハッキリとした輝きのある表情など、素性そのものの良さを十分に感じることができるのも魅力のひとつと言えそうです。
9%とアルコールが低いこともあり、無理なく飲み進めることができますが(酸とミネラルが豊かなので適度な緊張感はありますが)、やはり主体となるのが「甘み」という方向性故、日本の一般的な環境における食中酒としてはやや使い難い印象でもあります(辛口となるトロッケンの方が無難かも?)。とはいえ、ワイン単体で飲んでも十分にその質実さを感じることができるので、より前向きになってこの世界観を享受してもらいたいところではあります。
(2015/01)