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少量生産を貫き、あくまでも品質とクリュの表現を重視し、農民としてのアイデンティティを堅持する造り手がマリオ・マレンゴ(現オーナーはマリオの息子マルコ)。生産量が極めて少ないこともあり、なかなか手に入らないかもしれませんが、マリオ・マレンゴを代表する二大クリュ・バローロ、「ブルナーテ」と「ブリッコ・ヴィオーレ」はぜひとも経験して欲しいところです(2004年がヴァースト・ヴィンテージとなるヴェッキア・ヴィーニャ・デッレ・ブルナーテにも要注目)。
ラ・モッラのクリュとなるブルナーテが骨格を感じる緻密さを持ち、バローロのクリュとなるブリッコ・ヴィオーレはよりシルキーでエレガントな傾向にあります。同じクリュとなるヴァイラのバローロと比較しても、緻密さと流麗さが織りなす滑らかな質感が印象的で、ネッビオーロという葡萄が持つ本来の資質を引き出しつつ、クリュの持つ表情をうまく昇華させている傾向にあります。純粋な点数評価としてはヴァイラに分がありそうですが、その滑らかなテクスチャ、そして微細なタンニンの持つ魅力、それらを時間をかけてじっくり嗜むというバローロ本来の楽しみ方により適しているので、ワインと向き合いその本質を享受するような楽しみ方を求める人にとっては、至高の1本としてより高い満足感を与えてくれそうです。
(2015/01)