- Good Quality -
大量消費のサンジョヴェーゼ・ワインが溢れていた時代に、「サンジョヴェーゼをフレンチ・バリックで熟成させる(現在は7.5~12hlの大樽も併用)」という時代の先の先を行く手法で多くの人を驚かせたのがこの「レ・ペルゴレ・トルテ」です。ペルゴレ・トルテは「歪んだ樹形」という意味を持つ畑の名前となっていますが(トスカーナの方言)、現在では反対斜面の「モンテヴェルティーネ」でとれる葡萄も使用されています。
今回は非常に優れた年として知られる2004年ということもあり、そのポテンシャルを引き出すために従来よりも瓶塾期間を長めにとってからの試飲となりました。基本的な指向性としては、ペルゴレ•トルテらしいサンジョヴェーゼの魅力が存分に発揮された傾向にあり、標高が高い土地らしい清涼感や適度な引き締まり感が凛とした佇まいを生み出しています。また、構成力のある明確な表情を持った酸が主体となり、その内部には非常に熟度の高い果実味が位置しています。1999年のような明快なスタイルではなく、どちらかというとサンジョヴェーゼという品種に真摯に向き合うことができる人向け、あるいは通向けといった指向性がやや強くなってはいますが、それでもサンジョヴェーゼの王道を行くような基本姿勢なので、その素性の良さや良質さは多くの人にしっかりと伝わると思います。
酸が主体ということもあり、現状だと抜栓直後はややとっつきにくい表情が先行する傾向にあります。できれば抜栓後数時間、もしくは翌日に持ち越すぐらいのゆとりを持って接してもらいたいところです。
(2014/10)