- Good Quality -
土着品種の中でもあまり一般的とは言えない「テロルデゴ」で造られるワインです。造り手のフォラドーリといえば、ビオディナミやアンフォラ発酵など、自然を重視した回顧的前衛スタイルといったイメージが先行しますが、実際のワインはいたって現実的な範疇に位置しています。
土着的な個性ある表情がパッと花開き、イタリアらしい酸を重視した細身のスタイルになっているので、どちらかというと大振りなグラスよりも小振りなグラスの方が向いている傾向にあります。収斂したオレンジのような柑橘風味が主となり、全体を通じて「甘じょっぱい」印象が残ります(各要素がややちぐはぐなのが残念)。
数日経過させると、固さが解れるかわりに内包する意思もとき解れ、どこか甘さと柔らかさの抜け殻といった印象が残る傾向にあります。全体的なポテンシャルとしては、一般的な2k円前半レンジのワインに近いものがあるので、ワインそのものの良さを求めるよりも、テロルデゴという品種にスポットを当ててやる方がより多くのものが得られそうです。
(2013/02)