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タンニンが豊富で扱いが難しい葡萄品種と言われるサグランティーノ。現代的なスタイルのモンテファルコとしては、アルナルド・カプライが手掛ける「25アンニ」が非常に有名ですが、伝統的な本来のサグランティーノを表現する数少ない造り手として、老舗のミルツィアデ・アンターノも高い評価を得ているようです。
土着品種らしい個性が光るスタイルで、90年代後半のイタリアを彷彿とさせるような、力強い表情と明確な意思が際立ちます。非常にタンニンが豊富ですが、微細かつ滑らかなので口当たりは比較的良く、飲み難さや取っ付き難さは特に感じられません。トラディショナルな要素とアイデンティティを感じさせながらも、その世界観は現代的なクリーンさや安定感の上に成り立っているので、素直にその個性を享受出来る良質な造りだと言えます。
飲み進めるには体力が必要ではありますが、しっかり熟した野性味ある果実の甘味もあり、その個性とは裏腹に全体像はとても奇麗に纏まっているので、サグランティーノの魅力ある個性を素直に楽しめる程よい1本だと感じます。イタリアワインの持つ多様性を理解するためにも、こういった良質なワインを是非とも試してもらいたいところです。
(2012/09)