- Good Quality -
ラベルが一新された2006年は安易さが先行するかたちでやや疑問が残りましたが、今回の2008年は良い意味で「安易さを受け入れきった」傾向にあり、同社の2010年のキャンティと同じように自らの立ち位置を明確にして落し入れたような、ある種の意思を感じる世界観へと昇華されています。
価格帯がより下のレンジのワインと比較すると、各要素や全体像などにおいてより強化された部位が明確で、逆により上のレンジと比較した場合もちょうど良い減衰感なので、価格帯と内容が非常にマッチしていると言えそうです。同社のキャンティで物足りなさを感じる人であれば、次のステップとしてこのカンポ・チェーニがちょうど良い選択肢になるのではないでしょうか。
抜栓直後から楽しめるストレート感はキャンティと同様ですが、より質実さを備えて懐を固めていることもあり、2〜3日経過させると思いがけず良質な側面が垣間見えたりもします。あくまでも価格帯に準じる内容ではありますが、以前感じたような残念感からは概ね脱したような印象でもあるので(多少引きずってはいるものの)、デイリーで楽しみたいワインとしては十分その役割を果たしてくれそうです。
(2012/03)