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2000 Château Pichon-Longueville Baron
Château Pichon-Longueville

Château Pichon-Longueville

元々は「シャトー・ピション・ロングヴィル」というひとつのシャトーでしたが、遺産相続の関係でこの「バロン」ともうひとつの「コンテス・ド・ラランド」に分割されています。1960年代に評価を著しく落としたバロンですが、1987年に保険会社のアクサに買収され、ランシュ・バージュのオーナー「ジャン・ミシェル・カーズ」の手で大改革が成されます。その後は着実に力を取り戻し、今ではその真の実力を遺憾なく発揮しています。

ミレニアムに沸いた記念すべき年に素晴らしい作品を造り出したピション・バロンですが、これぞまさに「ポイヤック」とでも言うべき「剛」のスタイルが構築されていることもあり、ある種、非常に訴求力の高い内容になっています。定位感のある適度なボリュームゾーンに位置していますが、そこに内包するタンニンは非常に力強く、仄かに1975年のラトゥールが脳裏をかすめるほどでしたが、それでも全体像はいたって端正で、相対的にはやや控えめな傾向にはあるものの、しっかりとした果実味がコアに位置していることもあって、真摯に「ボルドーワインとしての高い完成度」を感じる優良な世界観となっています。直近のグレート・ヴィンテージである1996年の作柄とは違い、タンニンだけでなく果実味に関してもしっかり成熟しているという点で、やはり2000年はどの要素に関しても高い水準をクリアした完成度の高いヴィンテージだと言えそうです(逆に小綺麗に纏まり過ぎでどこか物足りないという贅沢な悩みが出る可能性も?)。

翌日に持ち越すと、想像以上にタンニンが熟れて多少右肩下がりな印象もありましたが、それでもバランスは安定した状態で、その後さらに飲み進めてボトルの底の方になると、奮起する姿とともに兼ね備えたポテンシャルを最後までしっかり出そうとする姿勢が感じられたので、多少の儚さは内包しつつも、全体としての印象が大きく崩れることはありませんでした。非常に良質な世界を存分に披露してくれのは確かですが、それでも偉大さや別格の感動が味わえるような類いではなく、あくまでも「文句なく王道を行く、これぞボルドーらしい、そしてポイヤックらしい優れたワイン」という、いたって現実的な世界に立脚するものなので、過剰に期待するのは禁物といえるかもしれません。しかし、現在でもそれほど際立って高騰しているわけではなく、2万円レンジでも十分購入可能なようなので、将来的な成長余地も含めて長いスパンで考えた場合は、他の2000年ヴィンテージのワインと比較すると相対的なお買い得感は思いのほか高いのかもしれません。
(2011/01)

参考市場価格19,950円~43,260円(平均約28,411円)
点数評価96(WA)、96(W)、94(IWC)、93(WS)、90-93(RWG)

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