- Recommended -
バルサックの古典かつ最大のシャトーで、同じバルサックの「シャトー・クリマンス」やソーテルヌの雄「シャトー・ディケム」といった偉大なワイン達のライバルと目されています。
クーテの畑は約38ha、平均樹齢は35年で、セミヨン75%、ソーヴィニヨン・ブラン23%、ミュスカデル2%というセパージュになっています。
さすがにソーテルヌの偉大なヴィンテージとなる2001年だけに、たっぷりとした甘みと均整のとれた骨格が印象的です。複雑性はまだ兼ね備えていませんが、程よく落ち着いた酸がコアにあり、凝縮された力強い甘みが暴れることなく鎮座してくれるので、今飲んでも十分楽しむことができます。
現状では、全体的に見てやや収斂された苦みが気になるので(数日置けば大幅に改善されます)、豊満な甘みからくる美味しさと、トータル的な資質からくる訴求力のバランスにやや難があり、抜栓して間もない時程「美味しいのにあまりグラスが進まない…」といった印象を受けます。とはいえ、1週間ぐらいは右肩上がりで開いていく傾向にあったので、一気に飲み干さずじっくり向き合っていけば、最終的にはしっかりした満足感が得られると思います。
世間の高評価によって高騰する傾向にある2001年ヴィンテージですが、クーテはまだ手の届く範囲に収まってくれているので、コストパフォーマンスに関しては比較的高いレベルを維持できていると思います。嗜好の差はあれ、完全に開いた時の芳香性やパッケージングの良さにはポテンシャルを感じるので、今飲む用だけでなくストック用としてもお勧めできる貴腐ワインだと言えます。
(2006/03)