- Very Good Quality -
モンテソーディは、フレスコバルディ家がルフィナ地区にあるカステッロ・ディ・ニポッツァーノで造るプレミアム・ワインであり、標高の高い単一畑から穫れる葡萄で1974年から造られています。カテゴリとしては従来通り「キャンティ・ルフィナ」として出荷されていますが、より個性を前面に打ち出すために、この1999年ヴィンテージからサンジョヴェーゼ100%のワインとして生まれ変わっています。
モンテソーディらしい構造力と密度感は健在で、絶対的なパワーを持ちながらもミディアムスタイルに仕上がった容姿も従来通りです。そういった意味ではサンジョヴェーゼ100%に生まれ変わったことによる差異があまり感じられないかもしれませんが、それはあくまでもモンテソーディとしてのアイデンティティを堅持できているということの証明であり、従来の方向性の延長上に「トスカーナのサンジョヴェーゼを活かす」という姿勢があるのだと理解できます。とはいえ、表面に表れる圧倒的なチョコフレーバーや硬質な酸が表現されている点など、葡萄の力を引き出して従来以上にサンジョヴェーゼらしい個性を表現するという行為はある程度成就されている印象を受けます。
本来持つ資質そのものは以前飲んだ1997年と同系統ですが、より外向的な魅力を身につけたことで、それほど肩肘はって挑む必要がなくなったとも言えます。現状ではやや固さが残るものの、綺麗に整った良質なバランス感と心地よい緻密感が、現状での美味しさと将来的なポテンシャルをうまく両立させているようで、どの成長段階で飲んでもモンテソーディらしい魅力をしっかり享受できそうな印象があります。
高いクオリティが評価されるルフィナ地区とはいえ、純粋に「キャンティ」として考えるとかなり高価な印象を受けると思います。しかし、実際には「スーパー・キャンティ・クラッシコ」と呼ばれるトップクラスのキャンティ・クラッシコ達と比較しても、決して劣らないだけの世界観を兼ね備えていると言えるので、相対的には高すぎる価格とは言えないのかもしれません。ちなみに、このヴィンテージに関しても、1997年と同様にガンベロ・ロッソ(2002年度版)で最高評価のトレ・ビッキエーリを獲得しています。
(2005/03)