- Good Quality -
「シャトー・ポミエ・アガサック」は、オー・メドックで造られる「シャトー・ダガサック」のセカンド・ラベルとなっています。
抜栓直後からすぐに、さびれた納屋のような古く妙な香りが鼻腔を通ります。やや古ぼけた樽の要素も印象に残りますが、それよりも密度感のない軽い構造体が非常に気になるので、正直なところ当初の印象はあまり良くありませんでした。直前にバルトゥロットを試飲していたのですが、それでもなお唸ってしまう内容だったので少し残念なところです。
あまり飲めそうになかったので、とりあえず栓をして翌日に持ち越してみたのですが、抜栓直後の間の抜けた印象とは大幅に異なり、程よい密度感の心地よい構造体へと一気に昇華されていたので少し驚きました。確かに各要素は同等のもので資質そのものに変化はないのですが、邪魔しない力加減と果実の表情が古風な香りを纏って良い作用を生み出しています。とりあえず抜栓後すぐに飲むのではなく、多少前もって抜栓しておくか、パニエなどを使用してしっかり空気に触れさせておくほうが良い結果が得られると思います。
価格を考慮すると過剰なものを求めるわけにはいきませんが、ポテンシャルを引き出すことができれば見合ったものが得られ、そうでなかった場合は肩を落とす結果になると思います。積極的にはお薦めしにくいのですが、価格相応の資質は兼ね備えているので嗜好に合えば大きな失敗はないワインだと言えます。
(2005/01)