- Good Quality -
「サグランティーノ・ディ・モンテファルコ」でお馴染みのアルナルド・カプライが造るデイリークラスのワインです(年間生産本数8万本)。サンジョヴェーゼ80%、チリエジョーロ20%という一風変わったセパージュですが、実際の中身も独特の個性を持ったスタイルとなっています。
抜栓日は細身で縦に振幅のある強めのタンニンが気になり、表情もシンプルであまり良い印象ではありませんでした。しかし翌日以降になると、チリエジョーロからくると思われるキュートな赤系果実の甘酸っぱい表情が際立ち、独特のアイデンティティを発揮し始めます。4日程経過すると、全体としては纏まっているものの「タンニンの強いサンジョヴェーゼ」といった印象が強くなり、少し緩さも出始めたのが残念なところです。
抜栓日の印象では「価格相応の内容」といったものでしたが、最後まで向き合った後には「本来の表情を見定めるのが難しいが興味深い内容」と変化していました。各個人の嗜好性が大きく影響しそうな内容ではありますが、ファースト・ヴィンテージが1998年ということもあるので、総括するとまだまだこれからのワインといったところです。将来的な成長と進化を見守ってみたい1本ではあります。
(2004/05)