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1995年にマレンゴ・マレンダ農園をアンジェロ・ガヤが購入し、その後「グロミス」と改名しました。チェレクイオの畑から造られるバローロとして「コンテイザ・チェレクイオ」と名付けられていますが、チェレクイオの中でも改植が行われ樹齢が低い区画のものはガヤラベルで「コンテイザ(バローロではなくランゲDOC)」として出荷されるので、コンテイザ・チェレクイオの方はもとから植えられた樹齢の高い区画の葡萄で造られているということになります。
今年の始めに飲んだパルッソのバローロと同じ1997年ということで、現状ではまだ固く閉ざされている可能性があると考えていましたが、実際には抜栓直後から素直に楽しめる内容になっており、ラ・モッラの特徴をよりよく表現したエレガントなバローロとなっています。少し軽めでありながらも芯に程よい構造力があり、果実の持つエネルギーが優しく全体を包んでくれます。若干樽の焦げた風味が残っているので、現状では全体的な統一感や優れたバランス感を得にくいかもしれませんが、デキャンタするなどしてしっかり時間を与えてやれば、綺麗に纏まった甘美な表情を十二分に披露してくれます。現状ではデキャンタ後に栓をして約24時間経過した時が、もっとも葡萄の完熟感を得られる状態となっていました。
表情や要素はしっかりと存在していますが、打ち出す資質の根底部分は比較的こぢんまりとした印象があります。しかし、流麗で質実な世界観は懐の広さと寛容さを持ち合わせているので、料理をメインに展開し、それに合わせる形で補完してやれば、コンテイザ・チェレクイオが持つ本来のポテンシャルをより一層引き出せると思います。葡萄がしっかり熟しているので、それに合わせた形で若干樽を強めに効かせているのかもしれませんが、各要素が落ち着き纏まるのを待たなくても美味しく飲めるので、必要以上に寝かせる必要はないと思います。しかし、多くの時間を与えることで高い一体感が得られそうな雰囲気もあるので、もう暫く寝かせておいても面白いかもしれません。
ヴィンテージが違ったので同列で比較することはできませんでしたが、コンテイザの半額で購入できると考えると、コストパフォーマンスはかなり高いと言えるのではないでしょうか。
(2004/03)